「4C」の基準に沿って、トップランク、そして1ct以上が理想ですが、予算のご都合もおありでしょう。予算も50万〜100万円程度で考えるなら、カラーはG、H、クラリティはVSクラス、カットはエクセレント、カラットは1ct以上がお勧めでしょう。しかし、独断と偏見かもしれませんが、「4C基準」のダイヤモンドが将来、今以上に資産性が上昇するとは、私には考えられません(数百年後のことは私にもわかりませんが……)。なぜなら、前述したように、20世紀最後の2000年に、ダイヤモンド業界の盟主であり、番人であったデービアス社が、これまでダイヤモンドの番人として供給量や価格をコントロールしてきた役割を放棄すると表明したからです。これまでダイヤモンドが金、プラチナに次いで第三の貨幣として価格の緩やかな上昇と安定が保たれてきたのは、世界中でデービアス社が供給や価格のコントロールを人為的に独占し、戦略的に実行してきたお陰だったのです。しかし21世紀に入り、一時的には世界のダイヤモンド原石の90%近くを支配、コントロールしていた“ダイヤモンド・シンジケート”のシステムが崩壊したことで、これまで1社の独占に近かったダイヤモンド原石マーケットが、他の商品と同様に“自由競争”の時代へと突入し始めたのです。この原因はいくつかあるようですが、最大の原因はダイヤモンドの過剰産出です。オーストラリアに次いで、カナダで埋蔵量豊富な鉱山が次々に発見され、1950年に1500万ctだった産出量が、1990年には1億ctを超えるまでに増加して、デービアス社では到底これを買い支えて供給量をコントロールすることは不可能となったのでしょう。これまでダイヤモンドはデービアス社の人為的なコントロールによって、資産性の面においても、信頼性が高く、安心して購入できた訳ですが、今後はその絶対的な保証は期待できなくなりました。しかし、その永遠の輝きはこれからも失うことはないでしょう。これからは、ダイヤモンドの資産性を重視して、鑑定の目で購入するのではなく、美しさを楽しむ鑑賞の目で購入していただけたらと願います。どうしてもダイヤモンドに資産性を求めるとしたら、これまでもデービアス社のコントロールを受けてこなかったファンシーカラーダイヤモンド、中でも前述したような稀少性の高いカラーを購入されることをおすすめします。レッド、グリーン、ブルーなどは、よほどラッキーでなければ出会うことがないでしょうが、オレンジ、ピンク、美しいキャナリーイエローなどのファンシーカラーダイヤモンドは比較的求めやすいものです。