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外国語を実地に使う

いま、こうしてあらためて過去の体験を思い出してみますと、特に聴きとりが弱く、推測の通訳をしたり、また発音もよく直されたりして、楽しい思い出よりも苦しかったことのほうが思い浮かびます。しかしながら、外国語を実地に使うのには、たいへんいい時代だったと思います。万博の後、一九七二年には、札幌で冬季オリンピックがあり、二度もオリンピックで仕事をするチャンスに恵まれました。この間に大勢のフランス人に出会い、冗談を言ったり議論したりしながら、フランスの伝統と文化の結晶ともいえるエスプリを少しは理解できるようになりました。フランス語はけっして流暢とはいえませんが、やっと外の国のことばではなく、身近なことばとなったような気がします。当時、大学院に籍をおいていましたが、アルバイトに精を出しすぎて出席日数が足りず、ドロップアウトしてしまう羽目になりました。けれども、オリンピックや万博という大きなイベントに巡り会うことができ、その後、語学を生かして社会に出ることができたのはまさに幸運といえました。