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カントの教育の過程

最後は「道徳化」であるが、この段階での教育は、熟達や怜俐さを獲得することではもはやなく、あらゆる人の目的であるような真に善い目的だけを選択する心術を自分自身で獲得することを目的とするものである。人間はこの段階にいたって道徳的に完成し、「人間性の理念およびその使命全体」にふさわしい人間になるのである。このようにカントの教育の過程は、5の道徳化を目指して各段階が連続的かつ重層的に構成されており、人間の自然のなかに備わっている素質は、教育を通じて開化し、育まれ、完成を目指すものである。学校教育の段階は、2訓練と3教化に相当するが、学校教育の過程が終了しても教育というものは終わるものではなく、文明化、そして道徳化を生涯にわたって成し遂げることによって、人間として完成するというように、教育は、一人の人間が生涯にわたって教育を、最初は受動的に、後に能動的にし続けるものであるという、現在の生涯学習の理念に相通ずるような人間と教育の関係を提示したのである。
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